デジタル文化資料エンジニアの会

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 デジタル技術が進展し、いまや、社会の新たな知識基盤を形成することまでもデジタル技術に期待がかかるようになってきています。これまでの知識基盤において重要な役割を担ってきた文化資料に関しても、デジタル化を通じた活用や、ボーン・デジタルな文化資料の保存・利活用をどうすべきかといったことについて議論と実践がますます必要とされつつあります。

 しかし一方、こういった技術や実践についての情報を共有する場、あるいは文化資料を実際に活用する立場にある様々な人々と、こういった技術を有する人々とが集まってシーズやニーズを共有する場が我が国にはまだ十分に用意されていません。デジタル文化資料エンジニアの会では、そういった方々の対話の場を提供するために、微力ながら、多少のお手伝いをしていくことを目指します。

 これまでには、国立国語研究所国文学研究資料館で開催された人文科学とコンピュータシンポジウム、じんもんこん2016において、ブース出展をおこない、人文系研究者とデジタル文化資料エンジニアの対話の場をご用意しました。今後もそのような場をご提供できればと思っておりますが、費用の関係で、当面はWebでの情報発信を中心に展開していく予定です。

 

 今後ともよろしくお願いいたします。

 

 事務局:永崎研宣

文化資料分析用ツール:時空間情報

時空間情報分析

時間に基づいて情報の可視化や解析を行う時間情報解析ソフトウェア。

曆変換のためのシステムとLinked Data「時間基盤情報」もあります。

「地図の閲覧ソフトで見たい範囲を移動したり拡大・縮小したりできるように、HuTimeでも時間軸上の見たい範囲を自由に移動したり拡大・縮小したりすることができます。この機能により、1日、1時間の詳細な情報から1年、世紀をまたぐような長期間に渡る情報までを1つの年表や時系列グラフに含めることができます。表示する時間範囲を拡げて俯瞰することで、どの時間範囲に情報が集中しているのか、どのあたりの変化が大きいのかといった情報の全体像を把握しながら、特定の時間範囲に絞り込んで具体的には何がどのように起きているのかを検証することが可能になります。」(「HuTime - HuTimeにできること」より)

 

 

デジタル文化資料エンジニアの会:ご挨拶

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 「ナショナルデジタルアーカイブ」等の議論が高まりつつあるなか、日本でも、デジタル文化資料を利活用できるようにしようという流れは着々と強まってきています。しかしながら、デジタル文化資料を本格的に利活用するためには、デジタル技術を理解している人と文化資料を理解している人の協働が重要であるにも関わらず、そのような人々の出会いの場というのはなかなか十分ではありません。一方、諸外国においては、米国でのTHAT Campや欧州でのEuropeana Tech conferenceをはじめ、デジタル文化資料に関わる人々が集まり交流する場を設けることに関わる様々な取組みが展開され、着々と成果を挙げつつあるように見えます。

 

 こうした状況に対して、我々の歩みを少しでも前に進めるため、デジタル文化資料エンジニアの会では、このたび、じんもんこんシンポジウム2016のブースをお借りして、比較的すぐに使えるデジタル文化資料に関わるツールや、研究発表としてはまとまりにくいがデジタル文化資料の活用に有益なツールや実験的な取組みなどについて参加者の皆様に情報を提供し、そして、それらに積極的に関わるデジタル文化資料エンジニアとの情報交換と交流をする場となることを目指します。みなさまにおかれましては、ぜひともこの場を活用していただけたらと思っております。これを通じて、日本のデジタル文化資料の利活用を少しでも前に進めることにお役に立ちましたら幸いです。

 展示等の詳細については、 追って、お知らせいたします。

 

 なお、じんもんこんシンポジウム2016での当会からの情報提供は、研究者・個人・企業などによる製品化されていない実験的な取組みと、研究者・個人による既存のツールやソリューションに限らせていただきます。企業によりすでに製品化されたプロダクトやソリューションは含みませんので、ご了承ください。

 

事務局:永崎研宣